どうも、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ!
君たちは「VRC世界旅行」を知っているかい?
VR空間にいながら世界中の名所を巡って旅行気分を楽しめるイベントで、予約の抽選に希望者が殺到するほど大人気なんだよ。
ただ、これまでのイベントはPC環境でしか参加できなかったこともあって、Quest単体ユーザーやスマートフォンユーザーから「VRC世界旅行に参加してみたい!」という切実な声が寄せられていたんだよな。
なんと今回紹介するのは、Quest単体やスマートフォンからでも気軽に参加できる”お手軽版”があるんだよ!
というわけで今回は、端末を選ばず誰もが一緒に旅を楽しめる「VRC世界旅行EX」を紹介するぞ!
Questでもスマートフォンでも行ける!「VRC世界旅行EX」
「VRC世界旅行EX」は、VRChatの大人気イベント「VRC世界旅行」をQuest単体やスマートフォン環境にも対応させたお手軽版イベントである。開催ごとに特定のテーマが設定され、それに沿った現実世界の名所ワールドをみんなで巡る構成となっている。
本イベントは不定期で開催されているため、参加を検討している人は事前にチェックしておくと良いだろう。最新の開催スケジュールや詳細情報については、公式X(旧Twitter・@VRC_WorldTour)や、Discordの「旅HUB」にて確認することが可能だ。
旅HUB(Discordチャンネル)
https://discord.com/invite/c4ESae27fk
実際に「VRC世界旅行EX」に行ってみた!
今回の見学テーマは「世界の土着建築」だ。石を積み、岩を削り、土を固めるーー有名な建築家ではなく、その土地に暮らす人々が身近な材料を用いて築き上げてきた歴史ある建物に焦点を当て、関連する3つのワールドを巡っていく。
ツアーで紹介されたのは、スペインの「ラ・モティージャ・デル・アスエル」、ジョージアの「ウプリスツィへ」、そして中国の「福建土楼(ふっけんとろう)」。いずれのワールドもQuestおよびスマートフォン環境に対応済みであり、端末を問わず誰でも気軽に参加できる工夫が凝らされている。
旅の出発口:拠点ワールド「RESFEBER」

まずは「VRC世界旅行」の拠点となるワールド「RESFEBER」へと集合した。ワールド名の「RESFEBER(レスフェーベル)」とは、スウェーデン語で「楽しみにしている旅行でも、出発前は期待と不安が入り混じる気持ち」を意味する言葉だそうだ。新しく作られたばかりのワールドであり、まさに旅の始まりを迎える出発口として活用されている。

今回はリーダーのJett(ジェット)さんが進行を担当。はじめにイベントの概要や注意事項について説明を受けた後、飛行機内にて写真撮影を実施。気分が高まったところで、最初の目的地へと繋がるポータルへと飛び込んだ。
RESFEBER_VRCWT
ワールドURL:https://vrchat.com/home/world/wrld_a3c6e9d2-0e58-47dc-baee-39abcf49fb4e/info
1ヶ所目:スペイン「ラ・モティージャ・デル・アスエル」

目的地のポータルから降り立った先は、スペインのラ・マンチャ地方に位置する遺跡「ラ・モティージャ・デル・アスエル」だ。青銅器時代(紀元前2000年頃)に建てられた石積みの砦が特徴で、イベリア半島で最も古い井戸を有する要塞遺跡として知られている。
直径は40メートル、高さ4〜10メートルの人工の丘であり、全体的な規模としては一見それほど大きく感じられないかもしれない。
このラ・モティージャ・デル・アスエルのすごいポイントは、「防衛」と「生活」の2つの機能を高度に両立させていた点にある。

まず防衛面においては、外敵の侵入を塞ぐ要塞として優れていた。中央の見張り台や投石拠点、非常用の避難所が設けられており、攻防の両面で極めて高い機能性を誇る。さらに、重厚な石壁と迷路の様に入り組んだ複雑な通路によって、侵入者が進めづらい様に設計が施されているのだ。

一方、生活面における最大の目玉が、深さ約16メートルにも及ぶ大規模な井戸である。当時の技術水準から見ても非常に高度な土木技術と言えるだろう。また単なる軍事拠点にとどまらず、内部には穀物の貯蔵庫や家畜の飼育スペース、各種工芸品を生産する工房が集まり、地域における経済や生活の中心的ハブとして機能していた。
ラ・モティージャ・デル・アスエルは、青銅器時代の人々の生活様式や水資源の管理方法、そして高度な防衛構造を解き明かす上で、極めて重要な手掛かりとなっている遺跡なのである。
なお、このワールド内にはタケコプターのような飛行アイテムが用意されており、高台や遺跡の上部へもラクラク移動して見学できるようになっている。万が一地形に挟まって動けなくなった場合でも、リスポーンを行うことで復帰できるため安心だ。
La Motilla del Azuer
ワールドURL:https://vrchat.com/home/world/wrld_fafdcdd7-1dee-4229-a743-0d84bfb40803/info
2ヶ所目:ジョージア「ウプリスツィへ」

次に向かったのは、ジョージア東部に位置する最古級の岩窟都市「ウプリスツィへ」だ。現在は多くの観光客が訪れる人気の歴史スポットとして知られている。
ウプリスツィへは自然の険しい地形をそのまま活かした、高台に位置する防衛性能の高い城塞都市である。紀元前1千年頃から人々が定住し始め、シルクロードの交通の要衝として栄えた。かつては地域の政治・宗教の中心地として極めて重要な役割を果たしていたという。

この遺跡のすごいところは、都市を構成するあらゆる施設が「ひとつの巨大な岩山・岩盤をくり抜いて作られている」点にある。単なる住居スペースにとどまらず、古代のワインセラーやパン屋、劇場、薬局、礼拝所、貯蔵庫、そしてそれらを繋ぐメインストリートに至るまで、都市機能のすべてが岩の中に掘り込まれているのだ。
岩を切り開いて築かれた巨大都市・ウプリスツィへは、長い歴史の中で繁栄を重ね、9世紀から11世紀にかけて最盛期を迎えた。しかし13世紀、モンゴル帝国の猛攻を受けて壊滅的な打撃を受け、衰退の途を辿ることとなった。長期にわたり人々の生活と歴史を支え続けた、まさに圧倒的なスケールを誇る岩窟遺跡と言えるだろう。
Uplistsikhe‚ Georgia
ワールドURL:https://vrchat.com/home/world/wrld_77048976-78d9-46dc-b450-26c2d3dd7cf5/info
3ヶ所目:中国「福建土楼」

ツアーの最後に訪れたのは、中国・福建省の山岳地帯に点在する巨大集合住宅「福建土楼(ふっけんどろう)」だ。主に「客家(はっか)」をはじめとする漢民族の一族が共同生活を営んできた歴史のある建築群である。
名前の通り、土や竹、石などを突き固めて作られた分厚い土壁で覆われており、円形や方形の建物が広い中庭をぐるりと囲む独特の建築スタイルが特徴だ。このような頑丈かつ閉鎖的な構造が採用された理由は、山間部において外敵や盗賊の侵入から一族の身を守る防衛上の必要性があったためである。

内部は単なる住居の集まりにとどまらず、一族が生活のすべてを共にする「ひとつの完結した村(共同体)」として機能している。食事や家事を行う場はもちろん、祖先を祀る祭壇なども備えられており、絆を重んじる客家文化の象徴とも言えるだろう。
2008年には、特に保存状態の良い46棟が「福建土楼」としてユネスコの世界文化遺産に登録され、現在では世界中から人々が訪れる人気の観光地となっている。

余談だが、巨大かつ独特な円形の形状ゆえに、冷戦時代のアメリカ軍(CIA)が衛生写真を見て「中国が山間部に多数のミサイル基地(サイロ)を建設したのではないか」と勘違いしたという有名な逸話が存在する。「極秘調査員を派遣して探らせてみたら、ただ人々が仲良く暮らす集合住宅だった」という結末は、どこかほっこりとした気持ちにさせてくれるエピソードだ。
Fujian Tulou
ワールドURL:https://vrchat.com/home/world/wrld_5c3b3ebb-17ae-4230-b9ab-d800d56194a6/info
最後に
今回は、テーマごとに世界の名所ワールドを巡るイベント「VRC世界旅行EX」の体験レポートをお届けした。
本家の「VRC世界旅行」とは一味違い、Quest単体やスマートフォンからでも気軽に参加できるだけでなく、特定のテーマに沿って実在する世界の名所や歴史について深く学べるのが、「VRC世界旅行EX」の最大の魅力だと実感した。
なお、イベントの参加方法に関しては、完全事前応募制の「VRC世界旅行」とは異なり、こちらは「Group+」形式で誰でも自由に入場できる仕組みとなっている。そのため、開始直後はすぐにフルインスタンが満員になってしまいがちだ。参加を検討している人は、インスタンスが開いた直後の早いタイミングで入場することをおすすめしたい。
定期的に追加されている「VRC世界旅行」関連のワールド群は、PC・Quest・スマートフォンの全環境からアクセスできるクロスプラットフォーム対応となっているため、誰でも安心して体験できるのが嬉しいポイントだ。さらに、3ヶ国語対応の解説パネルも設置されているため、海外のユーザーと一緒に巡って楽しむこともできる。
お手軽版の「VRC世界旅行EX」は、Quest単体ユーザーやスマートフォンユーザーにとっても参加しやすく、VRChatにおける「ワールド巡りのイベント」の素晴らしい入り口となってくれるはずだ。
VRC世界旅行EX
開催日時
不定期開催 22時〜23時
対応プラットフォーム
VRChat・PC&モバイル(Android、iOS)対応
参加方法
VRCグループ「VRC世界旅行」Group+に参加
グループURL:https://vrc.group/VRCWT.9509

