どうも、バーチャルブロガーの燕谷古雅(つばめや こが)だ。
4月26日に公開された、キタニタツヤさんの新曲「れびてーしょん」のミュージックビデオを見たことはあるか?動画自体が、VRChatで撮影されたこともあって、大きな話題となり注目を集めていたんだ。
そして6月14日、ミュージックビデオで撮影されたと思われる「現場」が、VRChatのワールドとして公開されたんだ。
ところが、このワールドがなかなか特殊なんだよ。深夜0時から朝5時までしか開かず、しかも公開は27日までの期間限定。こんな時間帯に起きている人って、一体どれくらいいるんだろうな・・・。
そこで今回は、キタニタツヤさんの「れびてーしょん」の撮影現場ワールドを実際に覗いてみたぞ。
歌詞やミュージックビデオが示す世界観に浸りながら、つづってみたぞ。
ミュージックビデオ「れびてーしょん」とは
シンガーソングライター・キタニタツヤさんの新曲「れびてーしょん」は、テレビアニメ『NEEDY GIRL OVREDOSE』のエンディングテーマ曲である。ミュージックビデオは4月26日にYouTubeで公開され、CDは6月17日に発売された。
ミュージックビデオは、どこか懐かしさを感じさせる映像表現が特徴だ。人通りの少ない深夜の街を舞台に、一人の少女が自撮りをする様子が映し出されている。
また、この映像がVRChatで撮影されたことや、音楽イベント「青色クラブ」の主催者として知られる藍上アオイさんをはじめ、VRChatで活動する著名なクリエイター陣が制作に携わっていることもあり、VRChatコミュニティ内外で大きな話題となっている。
なお、「れびてーしょん」の楽曲や、ミュージックビデオがVRChatで撮影された理由については、執筆時点で公式から詳しい説明は確認されていない。ただ、作品全体の雰囲気を見る限り、インターネット文化を題材とした『NEEDY GIRL OVERDOSE』の世界観を意識した演出が盛り込まれているようにも感じられる。
その意味を考察しながらミュージックビデオを見返してみるのも、また一つの楽しみ方と言えるだろう。
MVに使われたワールド
6月14日未明、VRChatのワールド「れびてーしょん/LEVITATION」が突如公開された。キタニタツヤstaffの公式X(旧Twitter)では、「6月14日(日)24:00~29:00」と記された告知とともに、VRChatのワールドリンクが投稿されている。
6月14日(日) 24:00-29:00https://t.co/cU0IPfTErD#れびてーしょん pic.twitter.com/khX0w842H1
— キタニタツヤstaff (@TatsuyaKitani2) 2026年6月13日

ワールド自体は24時間アクセス可能だが、指定された時間外に訪れても、ブラウン管テレビと「00:00」を表示するデジタル時計が置かれているだけの静かな空間となっている。
深夜0時になると様子が一変。テレビの置かれた部屋へと切り替わり、部屋から飛び出すと、ミュージックビデオで見覚えのある”あの夜の街”が広がる。

人の気配が消えた住宅街、工事現場、そしてぽつんと佇む電話ボックス。QvペンやミラーといったVRChatではお馴染みのギミックすら存在せず、まるで現実世界へ迷い込んだかのような、不思議な空気が漂っている。
ミュージックビデオの世界をそのまま切り取ったような光景に、思わず見入ってしまうことだろう。
なお、このワールドは6月14日から27日までの2週間限定公開。利用できる時間は深夜0時から夜明け前の5時までで、PCVRとWindowsデスクトップ専用となっている。
誰のものなのか?謎のハンディカム

このワールドでカメラを起動しても、映るのは静まり返った夜の街だけ。最初の部屋にいても、同じ光景が広がっている。
実は、このワールドのカメラは、赤いポストの上に置かれたハンディカムと連動している。ハンディカムの映像はインスタンス内の全員で共有されており、誰が見ても同じ視点が表示される仕組みだ。

ハンディカムは実際に手に持つことができ、「れびてーしょん」のミュージックビデオさながらの自撮り体験が楽しめる。
さらに特定の箇所を調べると、モニターに「れびてーしょん」のミュージックビデオが映し出される仕掛けも用意されている。細かな演出からも、作品世界へのこだわりが感じられるだろう。
ひとりずつ減る?最大収容人数の謎
キタニタツヤstaffの公式X(旧Twitter)に投稿された「れびてーしょん」関連のポストで、意味深な数字が添えられていることに気づいただろうか。
15日は「14」、16日は「13」、17日は「12」と、日付が進むごとに何らかのカウントダウンが進んでいるようにも見える。

そして、VRChatのワールド詳細にあるCapacity(定員)を確認すると、実際に最大収容人数が少しずつ減っていることが分かる。その意味は定かではないが、この不思議な演出も「れびてーしょん」の世界観を構成する一要素なのかもしれない。
気になる人は、定員がさらに減ってしまう前に、フレンドと一緒に訪れてみるのも良いだろう。
所感:レビュー
「れびてーしょん」のミュージックビデオの世界は、まるで一昔前へタイムスリップしたかのようなワールドである。
ざらついたノイズを含んだ映像表現は、どこか懐かしいノスタルジックな風景を感じさせる。そして、一昔前のハンディカムを模したギミックも秀逸だ。自撮りして遊んだり、街並みを撮影したりしていると、小学生の頃に使い古したビデオカメラで遊んでいた記憶がよみがえってくる。
また、この楽曲はインターネット文化を題材にしたアニメ『NEEDY GIRL OVERDOSE』のエンディングテーマでもある。キタニタツヤさんが公式サイトのニュース記事に寄せたコメントを読むと、変化していく環境の中で、心の拠り所となる場所が失われていくことへの不安や寂しさが込められているにも感じられる。
思い返せば、インターネットも動画配信サイトも、かつては一部の人だけが集まるアングラな空間だった。それが時代とともに大きく変化し、多くの人に開かれた場所になっていった。
そうした変化の過程は、現在のVRChatを取り巻く環境ともどこか重なって見える。だからこそ、ミュージックビデオの舞台としてVRChatが選ばれたのではないかーーそんな想像をしてしまう。
とくに、2024年以降のコミュニティの変化を見てきた人であれば、楽曲に込められたメッセージと重ね合わせる人も少なくないだろう。
ワールドの定員が日を追うごとに減っていく演出も印象的だ。一人、また一人と人が減り、居場所が少しずつ狭まっていく。その寂しさや虚しさを、プレイヤー自身に追体験させる仕掛けのようにも思えた。
「れびてーしょん」は、リアルとネットの狭間で生きる人たちや、変わりゆく居場所に対する不安を描いた楽曲なのかもしれない。もっとも、こうした考察を抜きにしても、ミュージックビデオの世界を歩きながら夜の街の空気を味わうだけでも十分に楽しめる。
静かで少し切ない、不思議な余韻を残してくれるワールドであった。
最後に
今回は、キタニタツヤさんの楽曲「れびてーしょん」のミュージックビデオ撮影現場ワールドを紹介した。
一昔前のビデオカメラで撮影されたような映像表現は、どこかノスタルジックでエモーショナルな雰囲気を漂わせている。実際にVRChatで撮影されたことに加え、インターネット文化を題材としたアニメの楽曲であることや、印象的な歌詞も相まって、居場所というものについて改めて考えさせられるようなメッセージ性が感じられた。
ワールド内にはハンディカムと連動したユニークなギミックが用意されており、常識の範囲内であれば撮影や配信も楽しめる。ミュージックビデオの仕草をまねしながら、自分なりの「れびてーしょん」の世界を体験をしてみるのも面白いだろう。
撮影現場ワールドならではの魅力として、楽曲の世界観をリアルタイムで味わえる”VRの聖地巡礼”を楽しめるのもポイントだ。
公開期間は6月27日まで。さらに、日付が変わった深夜0時から夜明け前の5時までという時間限定のワールドとなっている。まだ訪れていない人は、この機会を見逃さないでほしい。
静まり返った深夜の街で、「れびてーしょん」の世界に浸りながら、VRならではの聖地巡礼を楽しんでみてはいかがだろうか。
れびてーしょん ⁄ LEVITATION
ワールド製作者
Tatsuya Kitani
対応プラットフォーム
VRChat・PCのみ
ワールドURL
https://vrchat.com/home/world/wrld_5d84d26e-4d93-403f-a167-3cbcf42ddba4/info
解説
キタニタツヤ「れびてーしょん」ミュージックビデオの公式ワールド。深夜0時〜夜明け前の5時、29日(土)の期間限定公開。常識の範囲内であれば、ワールド内での撮影や配信、MVカバーの撮影もOK。

